テントのテント

あなたのかけがえのない「暇つぶし」を目指して。 ちょっと笑える日常のくだらない日記を書いています。BMI21.2。

僕と僕の生き霊との奇妙な共同生活

今週のお題「暑すぎる」

 

みなさんこんにちは、テントのテントです。

 

最近、びっくりするくらい暑いですよね。

 

そんなみなさんを少しでも涼しくしたいと思い、今回は、僕が昔住んでいた家で起こった怖い話をしたいと思います。

 

 

そこはどこにでもありそうな普通の賃貸アパートでした。

1階には植物が大好きな80歳くらいの大家さんが住んでいて、朝出会うとお互いに挨拶して、時々お菓子をくれたりする。
駅からはそんなに遠くなく、大家さんも優しくて良い人、僕はそんなアパートを気に入っていました。

しかし、その印象はある時期を境にガラッと変わってしまいました。

 

それは僕が当時付き合っていた彼女に触られてひとしきり落ち込んだのち、立ち直ろうとしていた時期でした。

別れたことはもうしょうがないとして、次の出会いに向けて「カッコイイ男」になろうと思い、これまでの生活習慣を見直したり、たくましい体を手に入れようと筋トレを頑張っている時期でした。
これまで夜遅くまで起きていた生活を朝型に切り替えて、気まぐれでやっていた筋トレを週に3日行うようにしました。

そんな生活も順調に波に乗ってきて、そろそろ「努力」から「習慣」に変わるのではないかという時期でした。

 

そんな夜、いつものように夜10時半に寝るために電気を消して布団に入ったのですが、その1分後、、、

 

 

 

「あははははははははははは!!!!!!」

 

 

 

静かなはずの夜に響く突然の笑い声に僕は飛び起きました。

なんと、消したはずのテレビが勝手についていたのです。

 

 

リモコンがベッドにあって、体のどこかがボタンに当たったのでないかと思いました。というより、そうであって欲しかったのです。

しかし、リモコンはしっかり机の上にあり、僕の恐怖はますます大きなものとなりました。

ただでさえビビリの僕なので、「勘弁してくれよ」といつもより布団を深く被り早く眠りに落ちることを考えていました。しかし、よりによってそんな時にこそ呪怨のあの白い子が布団から出てくるシーンなどが浮かんでくるのです。
「本当に日本のホラーはよくできているよなぁ」など変に感心しているうちに疲れて気づけば眠りについていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バンッ!!」

翌朝、バンッという大きな音で目が覚めた僕は、今度は何なんだと思い、さっとベッドから起き上がり、音の正体を探します。

 

部屋を見渡すと、夜には立っていたはずのカバンが倒れているのです。先ほどの音の正体はこのカバンが倒れた時の音だったのです。しかし、そのカバンは寝る前に決して倒れることのないようにしっかり固定しておいたはずのものだったのです。明らかに幽霊の仕業に違いない、そう思った瞬間、、、

 

 

「ジリリリリリ!! ジリリリリリリ!!!!」

僕がセットしていた目覚ましのアラームが鳴ったのです。
僕は一瞬頭の中が真っ白になりました。

 

 

 

どうやらその幽霊は僕が寝るタイミングと起きるタイミングを完全にわかった上で僕のことを脅かしてきているのです。

 

これまで何度かラップ音のようなものが聴こえたことはありましたが、まぁ気のせいだろうと片付けていました。
しかし、今回ばかりは気のせいで片付けられるものではありません。

僕は怖くて、誰かにこの話を相談したくて、バイト先にたまたま実家がお寺で将来は住職になる友達(坊主)がいたので、彼に聞いてみました。

 

「昨日、かくかくしかじかな怖いことがあったんやけど、絶対僕の家幽霊いるよね??」

坊主あぁ、それはもしかしたら、生き霊かもしれんねぇ。

「え?生き霊???怖い怖い。僕そんな誰かの恨み買うようなことしてないよ!!!!」

坊主「いや、誰かのというより、テントくんの生き霊やね。

「へ。。。僕の生き霊。。。。???」

坊主「そう。テントくんの生き霊。テントくん、もしかして今何か変わろうとしてない?」

「してる!!めちゃめちゃ変わろうとしてる!!!!」

坊主「やっぱり。テントくんの生き霊が、変わろうとするテントくんの邪魔をしようとしてるんよ。だから、びっくりさせて朝型の生活をやめさせたりしてるんだと思う。」

「まじか。。。こういう時ってどうしたらいいんだっけ?盛り塩とか??」

坊主「そうだね。塩で清めることが大事だね。

「やっぱり塩か!ありがとう!!!」

 

と色々聞いたその帰り道にも自分で塩について調べてみました。
すると盛り塩にも色々なお作法があるようで、方角がうんぬん色々と面倒くさそうだったので、

 

とりあえず僕が塩に包まれてたら無敵ちゃうん?

 

という偏差値2くらいの考えで、大量のバスソルトを購入し、風呂で塩に包まれることにました。

 

これで僕は無敵だ〜!!!!!!

と意気揚々と帰るのですが、家の扉の前について、ドアノブに手をかけた途端に急に恐怖がこみ上げて来るのです。

 

もし、また今晩も怖いことがあったらどうしよう。。。
中で幽霊が僕の帰りを今か今かと待ち伏せしてて、扉を開けた瞬間またテレビが勝手についたりしないだろうか。。。
トイレの扉が一人でにキーーッと開いたりしないだろうか。。。
など、考え出したらキリがありません。

 

しかし、いつまでもこうしててもだめなので、僕は思いきってドアを開けます。

 

 

ドアを開けると、そこにあるのはただ、「静寂」だけでした。
恐る恐るリビングまで進み、電気をつけますが、特段変なことは起きません。
僕は少しの安堵と恐怖が入り混じった変な精神状態だったのか、
「ふぅ〜、そこにいるのは分かってんだよなぁ〜〜〜〜〜」と、

「幽霊にマウントをとる」

という意味不明な行動をしてしまいました。

 

その後も特に何もトラブルに見舞われることなく、風呂の湯が溜まったので、大量に購入したバスソルトを全て浴槽にぶちまけ入浴しました。(この後、とんでもなく体がベタベタになったのはここだけの秘密です。)

 

そこで一旦気持ちを静めて、落ち着いて考えてみると、とある打開策が浮かびます。

 

 

 

そもそも、僕自身の生き霊なんだから上手く付き合っていけるんじゃね???

 

そうです。僕の生き霊ですし、これまで僕を脅かしはしたものの、何か危害を加えてはいません。僕のスタンス次第で上手く付き合っていける可能性は十分にあるのではないかと考えたのです。(天才)

 

そうと決まればこっちのもんです。

家に一人増えたと思い、
ラップ音が鳴れば「静かにしろよ〜」と言い、
物が勝手に倒れれば「やめときな〜下の人に迷惑だろ〜」と言い、
テレビが勝手についたら「またかよ〜勘弁してくれよ〜」と言う、そんな生活が続いていました。

僕は変わらず朝型の生活も筋トレも継続していましたが、僕の生き霊が僕に遠くに行かせないために危害まで加えてくることはありませんでした。

 

しかし、そんな不気味な共同生活も1年近く経とうとした頃、とある事件が発生したのです。。。

 

いつものようにキッチンで調理をしていると、目の前を謎の物体が通り過ぎていったのです。見てみると、それはキッチンの上部にしっかり固定してされていたはずの金属板(5cm×30cm、2kgくらい)でした。それが僕の目の前1cmを通過し、まな板の上に落下したのです。その衝撃でまな板の上にあった食材は散らかってしまいました。幸い何も怪我はなかったものの、もし運が悪ければ包丁で指を切っていたかもしれません。

 

これはこれまでの悪戯とはレベルが異なります。

いよいよこの家に居続けるのも厳しいか?などと考えながらもなかなか重い腰が上がらないのが人間というもの。

 

そんなこんなで1ヶ月経った頃、また事件が発生します。

それは僕がパソコンで作業をしている時でした。とある案件で深夜2時頃まで作業していて、そろそろ寝るか〜なんてことを考えていたその時、、、

 

 

「ブゥィィィイイイイィィィィィィイイイインブゥィィォォォオオィィィィイイン!!!!!!」

 

一瞬で全身の鳥肌が立ちました。
音のする方向を見ると、

なんと触ってもいない掃除機の電源が勝手に入って動いていたのです!!!

慌てて止めましたがこれはもうさすがに笑えません。。。

 

この事件がきっかけとなり、もうさすがにこの家は無理だ、環境を変えようという事でその家を引っ越しました。

 

 

引っ越してからというものそのような心霊現象はぱったりと止みました。

しかし僕の生き霊が悪戯をしていたのであれば、新しい家でも心霊現象が起こっても不思議ではありません。

疑問に思った僕は、もう一度バイト先の友人の坊主に聞いてみました。

 

「結構前、家で心霊現象が起こるみたいな話したの覚えてる?」

坊主「あぁ、覚えてるよ〜」

「あれから色々あったけど、引っ越したらパッタリ止んだわ笑」

坊主「おお!それはよかった!」

「でも、僕の生き霊の仕業なら引っ越しても心霊現象起こると思うんだけど、自分の生き霊の仕業でも引っ越したら悪さしなくなるものなの?」

坊主「あ、ごめん、その件なんだけど、テントくんの生き霊って言ったのあれ完全にデタラメなんよ笑 俺全然幽霊のこととか詳しくないけど、テントくんがあまりにも真剣な表情だったから、それっぽいことを適当に言ってしまった。ごめん。」

「ええええええええ( ゚д゚)ええええええええええ。あれデタラメだったんかーーいwwww僕めちゃくちゃ信じて変に共同生活みたいなことしてたよ!!!」

坊主「まぁまぁ、引っ越してから何もないんならオールOKやん(ニッコリ)」

「まぁ、それならOKやな!!!!(ニッコリ)」

 

まんまとイイ感じに言いくるめられた気がしないでもないですが、まぁ引っ越してから何も起きてないならいっか〜と家路についていたところ、
ふと思いました。

 

 

僕は一体今までなんの霊と一緒に暮らしてなんの霊に話しかけていたのだろう。

そんなことを思うと急にゾッとして、駆け足で新しい家へと急ぐのでした。

 

 

 

皆さんももしかしたら見えない「何か」と共同生活しているかもしれませんよ。

それではまた。